【構造物検査】鋼橋の検査と変状への対処

土木

検査は行く前の下準備が重要、下記確認しておくと良い

①変状記録 ②図面 ③設計計算書 ④修繕記録(あれば) ⑤塗装記録

弱点箇所は主に以下

①支承部 ②鋼材部(腐食の観点で) ③継手部

変状を見つけるにあたっては”錆汁”を探すと見つけやすい

変状は見つけて終わりではないので、変状の程度から適切な処置計画をたてることで
メンテナンスのサイクルを適切に回すことができる

検査の着眼点

検査は現場で行うものですが、行く前の下準備が大事です。若手の頃、何一つ下調べせず検査に行った際、亀裂を見つけました。しかしそれが主材なのか副部材なのか(さすがにそれくらいは見てわかれよというのはなしですが)、なぜ発生しているのか、昔からあるのか最近できたのか何もわからず先輩にめちゃくちゃ怒られたのを覚えています(今考えると怒るのもわかります)。

下準備として最低でも、変状記録に目を通すことはしておきましょう。数が多ければデータでも紙でもいいので現場へ持っていくのも良しです。続いて図面や設計計算書の確認です。変状記録として図面は見てるかもしれませんが展開図の用の簡易なものかもしれませんので、設計用の詳細な図面を確認して部材の構成を確認しておく良いです。そして設計計算書を確認してどの位置に応力がかかりやすいかを把握しておくことである程度どこに変状が出やすいか勘所をもって検査に臨むことができます。

その他に修繕の履歴がある場合は、修繕の記録や図面も確認すると良いです。修繕しているということは、そこは過去に変状が発生している弱点箇所といえます。適切に修繕されていれば問題ありませんが、再発していたり周辺に新たな弱点箇所を発生させている恐れもあります。

塗装されている場合(耐候性鋼材を用いた橋りょう以外は基本されていると思いますが)は、塗装がいつ行われたかを確認しておくことで、現場で発見する可能性のある錆汁の異変にも気づきやすいかと思います(塗り替え時期に対して、異常に発生や塗膜割れが多い等)。

鋼橋の弱点箇所

弱点の1つ目ですがですが、これは鋼橋もコンクリート橋も関係なく、まずは支承部が挙げられます。まあ、めちゃくちゃ荷重がかかりますからね。。。着眼点は支承の種類によって変わりますのでこれはまた別の機会にでもまとめたいと思います。

2つ目は腐食する箇所、すなわち全部材ですね。腐食すると断面が減少(減肉)し、断面が減少すると耐力が低下するため、そこから亀裂や欠損が発生するというメカニズムです。だから塗装して防食するのが大事なんですね。

3つ目は継手箇所です。全て継手箇所が必ずしも弱点とはなりませんが、以下のような箇所は注意が必要です。

  • 現場溶接されている
  • 応力が集中する箇所
  • 繰り返し応力がかかる

現場溶接は施工が難しいため工場加工に比べ精度が低いことは珍しくありません。
そんな箇所に繰り返しで応力が集中すると溶接の端部から亀裂が入ることになります。

変状の特徴・見つけ方

変状ですが、だいたいは上にあげている箇所付近に亀裂が生じます。見つけ方としては”錆汁”を探してください!亀裂が生じたときは塗装もろとも亀裂が入ることになり、亀裂が生じている箇所は鋼材がむき出しになります、そしたら後は酸素と水がそのむき出し部分にドバドバ供給され錆が発生しやがて”錆汁”が滴ってくるというわけです。

まだ比較的亀裂が新しかったりすると錆汁が生じていないこともあり得ます。その上で「なんか塗膜破けてね?亀裂っぽくね?」みたいな変状を見つけたら、少し塗装をケレンして磁粉探傷検査でもしてみてください。

あ、当然錆汁だけではなく、そもそも大きく塗装が禿げて腐食が出ているなんてのは見逃さないようにしましょう。錆汁ばかり探して、普通に腐食しているのを見逃した僕が言うので間違いないです(ちゃんと同僚が見逃さなかったです)。

見つけて終わりではないです

検査に行って変状を見つけて満足満足!

で終わってはいけません(外注で検査だけ請け負っているならば別ですが)。

変状に対して、その程度を見極めて適切な処置をすることが必要になります。

見るからに断面が欠損していたり、ひび割れが開口していたり、溶接切れを起こしている場合は検討の余地もなく、すぐさま処置をすることになるでしょう。

それ以外の場合はひび割れの長さ・幅・経年での進行速度や健全部と比較した応力測定等様々な手段を用いて判断することになります。またどの部分に変状が出ているかも処置を検討するうえで重要な情報となります。主材か副部材かで緊急性は変わってきます。主桁に亀裂が入っていれば一刻も早く対策が必要ですが、主桁の桁中間の補剛材に亀裂が出ているのであれば、それは計画的に対策するで問題ないといった具合です。

亀裂や欠損がなくても、塗装が劣化していたり塗装が破け鋼材が腐食しているような場合は再塗装が必要です。塗装するうえでは塗装材料の選定も重要ですが、ケレンがもっとも重要といっても過言ではありません。素地が錆びたまま塗装しても防食効果ないのでケレンが重要なんです。重要なんで2度言ってます。下にケレンの種類についての引用を掲載します。

主に鉄部に生じた錆びや付着汚れを落したりして被塗装面を清浄にする作業のこと。英語のクリーン(Clean)に由来するといわれる。1種から4種のグレードがある。1種ケレンはブラスト法により、黒皮、赤さび、旧塗膜を完全に除去し、清浄な金属面とすること;2種ケレンはワイヤーブラシや電動工具を用い、赤さび・旧塗膜を除去し、鋼面を露出させるが、完全な除去は難しい;3種ケレンは赤さびと劣化塗膜を除去し、鋼面を露出させるが保護膜として機能している旧塗膜(活膜)は残す;4種ケレンは白亜化で生じた粉化物やその他汚れを除去し、活膜を残す。

日本ペイントHPより

変状を見つけてきてからも修繕があり大変ですが、まずは見つけないことには何も始まらないですし、むしろ見落とすと最悪落橋なんてこともあり得るので、まずは現場で変状を見つけることに注力しましょう。

今回はかなりポイント絞りましたが、またコンクリート橋についてや、下部工について、修繕方法についても記事を書きたいと思います。

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