FRPは普通のプラスチックと異なり繊維で強化されたプラスチックで
基本的に強度と重さに優れた材料です
材料費としてのコストは高いですが使い方によってコストメリットの高い材料に化けます
プラスチックなんて、、、という幻想
この記事を書くまでは「プラスチックってすぐ砕けるし、紫外線を浴びると劣化するから、土木材料として使える場所って相当限られているだろうな」というのがイメージでした。最近仕事でFRPを取り扱うことになり、その実力に度肝を抜かれました。
FRPの概要と強度
FRPはfiber rainforced plastic の略で言葉の通り繊維で補強したプラスチックです。
プラスチックってそもそもなんなんだっけ?繊維で補強ってどういうこと?
プラスチックは石油(ナフサ)を原料としていて、石油が「かがくのちから」で姿を変えていきペレットという米粒のような形をした粒子になります。その粒子を加工することでプラスチックが作れる!そうです。そこに繊維を流し込んで生成したものがFRPです。
繊維にはガラス繊維やカーボン繊維、アラミド繊維等色々種類があります。使う繊維によって特徴が変わるので、使い分けが必要です。電気通したくなければガラス繊維を使ったGFRPを使ったり、軽量で強度が欲しければ炭素繊維を使ったCFRPを使ったり、といった形で用途に応じて繊維を変えます。
性能ですが、「超強い」の一言に尽きます。形や具体的な数値は記載できませんが、以前破壊試験を見た際には、プレキャストのプレストレストコンクリートより圧倒的に強度がありました。強すぎて引きました、、、
(繊維と合成樹脂の組み合わせにより強度は変わりますが、それでも基本的に強度には優れているというのが所感です。)
また紫外線にも強いようで、年間での減肉もμmレベルで強度低下もほぼないので、改めていわゆるプラスチックとは全く別物というのを思い知りました。
軽い!けど思ったよりは重い
もう一つ気になるのは重さかと思いますが、これは正直思ったよりは重かったです。でも同じ形で鋼材やコンクリートだったら一人で持てないものも、FRPにしたら普通に持てるくらいのレベルの重さです。強度と同じくこれも配合次第で振れ幅は大きいところかなと。
コストはいかなるものか
「強くて軽くてなんてなったらお値段は高いのでしょう」と思うものでしょう。そう、高いです。材料費はね。同じ形のものを単純にFRPで作ったら基本的には高くなるはずです。それでもFRPを使うかは、何に着眼してFRPを導入したいかという発注者の思想です。
誘導電流が発生すると困る
狭隘な箇所で重機を使えないから人力で持てる材料を使いたい
水かかりがひどく腐食の恐れが高い、そしてメンテナンスしづらい場所である
等々上記のような問題に対してFRPを導入することでトータルでペイするのであれば、それは
「コストが安い」
と言えるのでしょう。高い材料ではありますが、自分たちが抱える問題によってはとてもコストメリットのある材料になるのです。
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